『宇宙怪獣ガメラ』(うちゅうかいじゅうガメラ)は、大映が製作し、テンプレート:和暦3月20日に公開された日本の特撮映画。カラー、109分、ビスタビジョン。
同時上映は『鉄腕アトム地球防衛隊』。
概要[]
1971年の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』以来、徳間グループ資本下となった大映によって9年ぶりに製作されたガメラシリーズの映画。事実上、昭和ガメラシリーズ最終作となっている。マッハ文朱の映画初主演作品。
作劇自体は「完全新作」ではなく、歴代ガメラシリーズの特撮シーンに新作映像を加えて再編集したものである[1]。また過去作品の未合成フィルムを使用したため、光線などの光学合成を新たにやりなおしており、また少ないながら特撮の新撮シーンもあり[2]、「過去の作品のフィルムを使用した新作映画」という方がより正確である。
また、宇宙船ザノン号のデザインなどに、当時流行していた『スター・ウォーズ』など宇宙を舞台にしたSF作品の影響が見受けられる。なお合成シーンには、『宇宙からのメッセージ』(1978年、深作欣二監督、東映)で本格導入されたビデオ合成システム「東通ecgシステム」が使われた。
劇中に、『週刊少年ジャンプ』の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公、両津勘吉(に似た亀有公園前派出所の警官)が登場する。作品中でもアナウンサー役で登場する斉藤安弘アナウンサーは、公開当時、「あだ名がアンコウなので、出演依頼が来たときは、てっきりアンコウの怪獣役でもさせられるのかと思いました」とコメントしていた。
ストーリー[]
宇宙海賊船ザノン号は地球侵略を開始する。それに敵対するキララ達3人の異星人(スーパーガール)は超能力を使うとザノン号に狙撃されるため、表立って活動が出来ないでいた。
宇宙海賊による侵略の使者としてギャオスが出現した折に、キララ達は圭一少年と出会い、「ガメラ」という正義の怪獣の存在を知る。直後にガメラは新宿にその雄姿を現し、ギャオスを倒すために飛び去った。
「スーパーガール」はガメラを支援し、宇宙海賊の送り込む怪獣群を迎え撃つ。
ガメラ[]
昭和ガメラシリーズを支えたエキス・プロダクションによってぬいぐるみが制作された。前作までと違い、首が鎌首をもたげたような形状になっている。また公開に合わせ、同じスタッフによってアトラクション用のぬいぐるみも制作され、各種宣伝イベントで使われた。
ジェット噴射での3尺飛行モデルは、予算不足のため、顎を開閉させるリモコン装置を取り付ける余裕もなかった。なんとかやりくりして装置を取り付けたものの、リモコン機能はなく、口を常時開閉し続けるものとなっている。
劇中の圭一少年の夢の中で、この飛行用のガメラのミニチュアが、当時人気を博していたアニメ作品である『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』と一緒に宇宙を飛ぶシーンがある。背景に「ヤマト」及び「999」のアニメフィルムを使い、実写の飛行ミニチュアが合成された。
キャスト[]
- キララ:マッハ文朱
- マーシャ:小島八重子
- ミータン:小松蓉子
- 木下圭一:前田晃一
- ギルゲ:工藤啓子
- 圭一の母:高田敏江
- 不良少年:林博二
- 圭一の友達:池田真
- 運転手:飛田喜美雄
- アナウンサー:斉藤安弘(ニッポン放送)
- 両津巡査:桂小益
- キャプテンの声:小林修
- ナレーター:中村正
スタッフ[]
- 監督:湯浅憲明(本編・特撮とも)
- 企画:徳山雅也
- 製作:大葉博一
- プロデューサー:徳山雅也、篠原茂
- 脚本:高橋二三
- 音楽:菊池俊輔
- 撮影:喜多崎晃
- 照明:島田忠昭
- 美術:横島恒雄
- 録音:飛田喜美雄
- 編集:田賀保
- スチール:野上哲夫
- メイク:土屋千恵
- 助監督:村石宏寛
- 製作主任:久里耕介
- 特殊撮影:東通ecgシステム
- 音響効果:小倉信義、小島明
- 音楽製作:徳間音楽工業株式会社
- 製作協力:株式会社東通、株式会社大映撮影所、株式会社オフィスアカデミー、東映動画株式会社
主題歌[]
- 「愛は未来へ・・・」(ミノルフォン・レコード)
- 唄:マッハ文朱
- 作詩:やまひさし
- 作曲:菊池俊輔
関連項目[]
- 600 こちら情報部(NHK)
- 劇場公開に合わせ、湯浅監督の特撮演出風景などをルポ。スタジオには湯浅監督とガメラが招かれた。
映像ソフト化[]
- ビデオ
- 1991年発売。
- レーザーディスク
- 1995年発売。
- DVD
- 2001年10月11日発売の「ガメラTHE BOX(1969-1980)」に収録されており、単品版は2007年10月26日発売。2006年8月31日発売の「ガメラ 生誕40周年記念Z計画 DVD-BOX」に収録されている。
- ブルーレイ
- 2009年7月24日発売の「昭和ガメラ ブルーレイBOXII」に収録されており、単品版も同時発売。
脚注[]
参考文献[]
- 『ガメラクロニクル』(ソニーマガジン)
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